【徹底解説】第74回 診療放射線技師国家試験 午前 その4(12-14)【診療画像機器学】

国家試験解説

どうも!ぶっさんです。

第74回 診療放射線技師国家試験 午前 12-14を解説していきます。
科目は診療画像機器学です。
MRIや超音波画像診断装置の装置の構造や仕組みについての出題です。

学習内容
  • MRI装置の超電導磁石
  • 法律上の医療機器の管理区分と装置
  • 超音波画像診断装置のゲイン
ぶっさん
ぶっさん

装置の構造やパラメータの出題だね。法律上の医療機器の分類についての問題もあるね。
しっかり整理してみよう。

第74回午前-12 MRI装置の超電導磁石

12. MRI 装置の超伝導磁石で正しいのはどれか。

  1. 形状はオープン型である。
  2. コイルの線材は銅である。
  3. 冷却に液体ヘリウムを用いる。
  4. 3Tを超える高磁場は得られない。
  5. 電流が流れている間は電力が消費される。
ぶっさん
ぶっさん

MR装置にとって重要な超電導磁石。特徴を覚えておこう。

 

MRI装置の超電導磁石の特徴

MR装置の超電導磁石にはニオブチタン(NbTi)が使用されています。
ニオブチタンは約-263℃で超電導状態になるため、液体窒素(-270℃)で冷却されています。
超電導状態になると電気的な抵抗が”0”になるために、大電流を流すことが可能となります。
あとは、中学校でも習うようにフレミングの法則のように高磁場ができます。

超電導磁石を使用したMR装置は3T(テスラ)までの高磁場が使用されることがほとんどでしたが、現在は一部の装置では7Tまでの超高磁場のMR装置も実用化されています。

超電導磁石では液体窒素での冷却が必須となりますが、何らかの原因で超電導状態が崩れたとします。
すると、電気的な抵抗が”0”でなくなるために、熱が発生することになります。
液体窒素の沸点は約-269℃なので、僅かな熱で一気に気化してしまいます。
この現象を「クエンチ」といいます。
クエンチが起きるとMR装置室内に気化した窒素が充満し、空気中の酸素が低下し非常に危険な状態になります。
したがって、超電導磁石のMR装置室には必ず排気設備が必要となります。

MR装置には超電導磁石を使用しない装置もあり、それらには永久磁石を利用されています。
永久磁石は超電導磁石に比べて、低磁場(0.15〜0.3T)である特徴があります。
永久磁石型のMR装置は構造をオープンにできるために術中MRIなどに利用されることもあります。

第74回午前-13 法律上の医療機器の管理区分と装置

13. 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律で規定されている医療機器の分類と装置の組合せで正しいのはどれか。

  1. 設置管理医療機器 ーーーーーーーーーーーーーーー 移動型X 線装置
  2. 特定保守管理医療機器 ーーーーーーーーーーーーー X線CT装置
  3. 一般医療機器(クラスⅠ) ーーーーーーーーーーー X線撮影装置
  4. 管理医療機器(クラスⅡ) ーーーーーーーーーーー 放射線治療装置
  5. 高度管理医療機器(クラスⅢ、Ⅳ) ーーーーーーー 超音波診断装置

※複数正解問題

ぶっさん
ぶっさん

なかなか教科書でも見ない内容だね。さらっと解説するよ。笑

 

医療機器の管理区分

医療機器の管理区分をまとめました。

リスクによる管理区分

・ 一般医療機器(クラスⅠ):障害が起きても生命や健康に大きな影響を与えないもの
・ 管理医療機器(クラスⅡ):生命や健康に影響を与える可能性があるもの
・ 高度管理医療機器(クラスⅢ・クラスⅣ):生命や健康に重大な影響を与えるもの

保守管理の区分

・ 特定保守管理医療機器

保守点検、修理その他の管理に専門的な知識及び技能を必要とすることからその適正な管理が行われなければならないもの

・ 設置管理医療機器

特定保守管理医療機器のうち、設置にあたって組立て及び組立てに係る管理が必要なもの。

「こんな区分があるんだなぁ」と見ておくだけで十分です。
次に行きましょう。笑
 

第74回午前-14 超音波画像診断装置のゲイン

14. 超音波画像診断装置のゲインを調整したときに変化するのはどれか。

  1. 送信される超音波の振幅
  2. 送信される超音波の周波数
  3. 送信される超音波のパルスレート
  4. 受信機から出力される電気信号の振幅
  5. 受信機から出力される電気信号の周波数
ぶっさん
ぶっさん

いわゆるエコー装置の「ゲイン調節」についてだね。ゲインを調節すると画像がどう変わるか勉強しよう。

ゲインの調節と超音波画像

超音波画像診断装置ではプローブ(超音波送受信機)で受信した超音波は電気信号に変換されます。
電気信号の波形をもとに画像が生成されます。
超音波画像診断装置のゲインを調節すると、変換された電気信号の振幅が変化します。
電気信号の振幅は超音波画像の明るさを表現しますので、ゲインを調節すると画像全体の明るさが変化します。
ゲインを上げると超音波画像全体の明るさは明るくなり、ゲインを下げると明るさは暗くなります。
 

ゲイン調節では画像全体の明るさが変化しますので、画像のノイズにも影響を与えます。
ゲインを上げると画像のノイズの信号も上がるためにノイズが増加します。
そのため、目的に応じて、適宜、ゲインを調節する必要があります。

まとめ

ぶっさん
ぶっさん

今日もお疲れ様。一問、マニアックな問題だったけど、たまにこういう問題もあるよね。

学習内容
  • MRI装置の超電導磁石
  • 法律上の医療機器の区分と装置
  • 超音波画像診断装置のゲイン

今日の学習内容の難易度は易しいと思います。
問題内容をよく吟味して、必要な知識だけを増やしていきましょう。

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